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2016年9月5日 北海道新聞朝刊

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「お独り様」交流楽しむ~札幌のNPOボラナビ 活動5年(超高齢社会の絆)

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お独り様会 マスコミ掲載(新聞)

NPO法人ボラナビ(札幌)が独身者同士の交流組織「お独り様会」の活動をスタートさせて5年。会話を楽しむ交流会や、食事、軽スポーツなどの催しを開いているほか、毎月1回、会報誌「しゃぼん玉ノート」を発行し情報交換の場にしている。会員は150人を超え、シニア層をはじめ幅広い世代が絆を強めている。
(編集委員 福田淳一)

20から80代 幅広い世代参加

ボラナビは、さまざまなボランティア活動を支援するのを目的に1998年に任意団体として発足し、2001年にNPO 法人化。毎月、ボランティア情報誌「ボラナビ」発行している。   
未婚が珍しくなくなり、離婚や死別で独身者が増える中、11年4月に「独身者が孤立することを減らし、緩やかなつながりを作ろう」とお独り様会をスタートさせた。

ボラナビの森田麻美子代表理事(44)は発足のきっかけの一つをこう語る。「月1回開いているボラナビの集いで、ある時、独身で一人暮らしの女性参加者が『人と話をしたのは1ヶ月ぶり』と語ったのがショックでした」

入会資格は20歳以上で、離婚、死別、離別問わず独身者であること。現在の会員は札幌市内を中心に157人。女性105人、男性52人と、ほぼ2対1の割合だ。年齢層は20代半ばから80代までと幅広いが、50代と60代が全体の半数強を占める。独身の理由は未婚が76人と半数近くを占め、離婚が45人、死別が36人。

「1人で生きていくのに耐えられなくなった」「孤独死を迎えるのではという不安を打破できれば」「さびしさやむなしさ押しつぶされそうになる」ー会員からはこんな胸の内が聞かれる。

月1回、30~50人程度が集まるお独り様交流会を開き、飲食抜きで自己紹介をして近況を語り合う。おしゃべりを通じた仲間づくりの場で、プライバシー保護のためニックネームで呼び合うことも多い。また、「オフ会」と称し、月に5回程度、数人から10人ほどでバーベキューやランチ、飲み会、日帰り旅行、カラオケ、ボウリング、パークゴルフ、ウォーキングなどを楽しんでいる。

会の特徴の一つは毎月会員に送られる会報誌「しゃぼん玉ノート」。会員が匿名で胸の内を寄稿し、情報交換の場にしている。交流会、オフ会の日程などの情報も掲載されている

会員で札幌市南区在住の角田極(きわむ)さん(83)は昨年7月から、会の活動に参加している。お独り様交流会のほか、サクランボ狩り、花見、ビアガーデン、北大キャンパス巡りなどを体験。一昨年3月に妻に先立たれたが、「世代の違う人たちと交流し、脳の活性化にもなりそうです」と楽しそうだ

こうした交流活動のほか、会員の安否の助けにと、希望者には無料で「着信確認サービス」も行っている。週1回、事務局の専用の番号に会員から電話をかけてもらう着信を確認。着信がなかった場合は、事務局が会員に電話をかけ、出ない場合は事前に登録した家族や友人ら緊急連絡先に知らせる仕組みだ

代表理事の森田さんは「晩婚化などで独身者はこれからも増えると予想されます。高齢の方だけでなく、50~60代の孤立も問題になっているので、今後は着信確認サービスを会員以外に広げることも検討したい」と話している

お独り様会の会費は1ヶ月1980円で34歳以下の女性は無料。連絡は毎週火、木、土の午前10時から午後1時までにNPO法人ボラナビ☎011・242・2042へ。電子メールはvolunavi@npohokkaido.jp

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