独身者の多くが、残念ながら不本意に独身のようです。
多くの方が「大人になれば誰でも結婚できると思っていた」「まさか自分が死別(離婚)で独身に戻るとは」と感じています。
不本意のために、独身であることに落ち込むケースもあるようです。
落ち込んでしまう方は、まずは原因を特定するために簡単なテストをしてみませんか。場合によっては、同じ立場の異性や同性と出会い、おしゃべりし、気持ちに共感しあうことで改善できるかもしれません。
未婚者のほとんどが不本意に独身
未婚者の多くは、自身の気持ちに反して「不本意に独身」となっていることが統計に表れています。
18~34歳の未婚者で、いずれは結婚しようと考える人の割合は男女とも8割を超え、女性はほぼ9割です。
(出所)国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに実施している調査(2016年発表)より筆者作成
恋愛結婚が主流なのに交際相手がいない
しかし、気持ちとは裏腹に、34歳以下の未婚者は「恋人として交際している異性はいない(婚約者もいない)」が多数で、男性は8割近く、女性も7割近くとなっています。
(出所)国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに実施している調査(2016年発表)より筆者作成
現在は結婚の9割近くが恋愛結婚です。
結婚は、恋愛感情を育むために一定期間の交際を経た後になされるのに、未婚者のほとんどに交際相手がいないために、晩婚化や、婚姻数の低迷につながっています。
離婚や死別で独身に戻るのは青天の霹靂(へきれき)
ところで、「まさか自分が独身なんて」と思う気持ちは、未婚者よりも、元は結婚していた離婚者や死別者のほうが強いともいえるでしょう。
離婚者の声
◎20代女性
離婚しました。現在、2 歳の娘と二人で生活しています。
主人とは価値観の違いやコミュニケーション不足、そして私の努力不足もあって、別々の道を歩むことになりました。
ずっと続くと信じていた結婚生活がわずか 3 年 5 ヶ月で終わってしまい、後悔や悲しみなどの色々な思いが複雑に混じりあっていて、日々心境が変動している現状です。
まだまだ心の整理がついたとは言えませんが、この辛い経験を無駄にしないよう、自分のためにも娘のためにも前を向いて生きていきたいです。
◎30代女性
2年前に離婚し、子供はおりません。
毎日仕事と家の往復で、いつまでもこのままではいけないと思い、いろいろ調べてこのお独り様会を知りました。正直、今の私は独りが寂しいです。でもちゃんと向き合わなきゃいけないとも思っています。
孤独と向き合うことがこんなにもしんどいとは・・・
友達に離婚した人がいなく、誰にも自分の気持ちを話せません。生きているといろんなことがありますね。
いいことも悪いことも。でもそれは全部自分が呼び寄せたものと思うようになりました。
◎40代男性
25年前に大学を卒業して社会人になった時、世間体のいい大学を卒業している同僚に劣等感を持ち、世間体のいい仕事ではない自分を恥ずかしく思っていました。
それまで特に意識していませんでしたが、自己肯定感が非常に低い自分に気が付きました。
そうすると、他人との距離を上手く取ることが出来ず職場の人との交流を避けたり、学生時代の友人とは疎遠になったりしてしまいました。その様な時に縁あって結婚をして、一人娘をもうけました。
家族という一番心を許せる存在を得て、友達がいなかったこともあり、家族3人で楽しい生活を過ごしていました。
しかし、その生活もあることがきっかけに上手くいかなくなり、離婚しました。現在、子供がどこで何をしているのか分りません。
離婚して一人になってみると、自分には友達がいない、心を許せる人がいない状況に後悔しました。
一時は、非常に落ち込み精神的にも不安定になりました。
◎50代男性
12 年前に独立して、会社が軌道に乗るまでがむしゃらに前だけを見て走りました。
生活の安定と家族の為に、後ろを振り返る余裕なんて有りませんでした!
仕事も軌道に乗り、少しだけ余裕が出来たときに後ろを振り返ったら、誰も居なかった!
家族との距離が余りに離れて、修復なんて出来ないくらい!
死別者の声
◎50代男性
お独り様?
独りを望んだ事など無い
なりたくて独りになった訳では無い。
でも
これからは独り・・・2 年前
妻が病気で先に逝ってしまいました。
一番大切なものを失ってしまった。「子供たちが自立したら、また二人で新婚さんだね」と言っていた妻
今まで二人で頑張って来たのに
その日を目前に・・・考えてもいなかった自らの喪失感
悲しみと愛おしさ、そして後悔が日々に増して来る
辛く長い日々・・・
子供たちを守る事だけが自分の生きる証しだった。再婚の意思はありません。
時間が解決をしてくれるのでしょうか?
愛する人を失われた方は、どの様に過ごされているのでしょうか?
◎60代女性
最近、66 歳の最愛の夫を突然亡くしました。
失ってみて、これほどつらいとは。なるべく一日一度は外に出るようにしていますが、なにを見ても夫との思い出がわいてきて、つらくなります。今頃は、庭の畑を耕していたねとか。苗をたくさん作って、そろそろビニールハウスに移していたねとか。なにを見ても思い出があふれてきます。
家では、ぼーとして、かろうじて本ばかり読んでいます。
◎70代男性
昨年、妻が癌と告知されて50 日目に生涯を閉じました。
今になっても気持ちの整理がつかず、受け入れることは出来ません。44 年間の結婚生活を振り返ると悔いの残ることばかりで、夜はなかなか寝つかれずお酒の力を借りる始末です。
また、夜中に目を覚ますと朝方まで眠れないことがしばしばあり、妻の事を思い出しては涙しております。
(参考 お独り様会会員さまの寄稿)
独身者しかいない世の中を想像してみる
独身で「なんとなく寂しい」と感じる方は少なくありません。ふと目に入るカップルや家族連れを見ると、さらに気分が重く、寂しくなるなら、それは独身である自身の状態を肯定できていないのだと思います。
試しに、「もし世の中が全員独身者だったら」と想像してみてください。恋人同士でさえも、もちろん夫婦も存在しない世の中です。
そんな世の中で、あなたはまず、友人たちの集まりに参加してみましょう。実際は結婚しているあなたの友達のあの人たちも全員独身という仮定です。どの人にも恋人さえいません。みんなでワイワイしゃべって、楽しい時間を過ごせるのではないでしょうか。
次に、職場に行ってみましょう。上司も部下もお客様も全員独身です。
外も歩いてみましょう。どこを見回しても、みんな一人で歩いているか、せいぜい同性の友人同士。家族連れも、恋人同士も見当たりません。
さて、このイメージであなたはどのように感じたでしょうか?
気分が晴れやかになりませんでしたか?
もし、少しでも気持ちを上げることができたなら、実際に「独身者だけ」の「気軽な」集まりに参加してみてはいかがでしょうか。
独身者だけの集まり
私たちのNPO法人が運営するお独り様会では、独身者だけの集まりを毎月東京と札幌で開催しています。
会の趣旨は友人づくり。そのために、マッチングを勧められないし、同性や異性と楽しいおしゃべりが繰り広げられます。
「この異性は自分の配偶者としてどうか」「この同性は私の恋のライバルか」などといった目で互いを見ないので、とても温かい雰囲気です。
イベントは会員様だけで開催される「オフ会」と、スタッフが進行を務める「交流会」の二種類です。
東京花見オフ会
北海道バーベキューオフ会
東京交流会
ぜひ参加して、同じ立場の方とお話ししてみませんか。
参加できない方も、ご自身に近い立場の方の声から決してお一人ではないことを感じていただければと思います。
積極的に独身の異性や同性の友達を増やして、日々楽しいコミュニケーションを心掛けましょう。
コメント