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生涯未婚率や未婚者の意識調査などについて(2022年発表統計)

婚姻率の国際比較-イメージ

2022年に国が発表した生涯未婚率の統計についてご紹介します。

生涯未婚率は年々増加傾向にあり、5年ごとの国政調査に基づく2020年の数値は男女とも過去最高を更新しています。

また、年代別の未婚率、独身者を対象とした調査結果など、関連情報もご紹介します。

目次

2020年の生涯未婚率は過去最高

50歳時の未婚割合の推移

未婚率の推移
出所:令和4年版 少子化社会対策白書3 婚姻・出産の状況(国勢調査を元に作成)

2020年の国勢調査のデータによると、50歳まで一度も結婚をしたことがない人(※1)の割合は2020年は、男性28.3%、女性17.8%にのぼり、過去最高を記録しています。

割合は1960年以降、上昇傾向にあり、1990年以降は急増しています。

(※1)「50歳時の未婚率」というのは、「45~49歳」と「50~54歳」未婚率の平均値から、「50歳時の未婚率」(結婚したことがない人の割合)を算出したものです。以前は生涯未婚率と呼ばれていましたが、生涯を通して未婚である人の割合を示すものではありません。

出典:公益財団法人生命保険文化センター「「50歳時の未婚率」とは?

データの注意点として、グラフの出典「少子化社会対策白書」では、各年の国勢調査に基づく実績値を使用していますが、2015 年及び 2020 年は配偶関係不詳補完結果に基づいています。
「配偶関係不詳補完結果」とは、配偶関係や年齢、国籍など個別データの欠測値を補完して按分算出したものです。2010年以前のデータは補完されていないため、厳密には整合性が取れないため、表について、統計局は参考表としています。

同時に婚姻率(年間婚姻届出件数/人口×1,000)の値も減少し続けています。
2021年の婚姻率は4.1で、第1次ベビーブーム世代が25歳前後の年齢を迎えた1970年の半分以下に減少しています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

生涯未婚率の将来推計

少し古いですが、2015年に厚生労働省が発表した生涯未婚率の推計値によると、2035年は男性29%、女性が19.2%になると予測されています。

2015年発表の生涯未婚率の推移(将来推計含む)

未婚率の将来推計
平成27年版厚生労働白書 -生涯未婚率の推移(将来推計含む)

実際には、2020年は男性28.3%、女性17.8%なので、男性は予測値を上回るペースとなっています。
予測値では、2035年には、男性は3人に1人の予測ですが、既に近づいています。

2020年若干、鈍化の兆しは見られますが、上昇は続いているので、予測値を上回るペースで生涯未婚率の上昇が進みそうです。

都道府県別の生涯未婚率ランキング

都道府県別、男女別の生涯未婚率(50歳時未婚割合)ランキングです。

2020年 生涯未婚率の都道府県別ランキング(男性)

都道府県別未婚率‐男性
人口統計資料集2022年版(国立社会保障・人口問題研究所)を元に筆者作成

2020年 生涯未婚率の都道府県別ランキング(女性)

都道府県別未婚率‐女性
人口統計資料集2022年版(国立社会保障・人口問題研究所)を元に筆者作成

生涯未婚率が最も高いのは、男性、女性ともに東京都(男性32.2、女性23.8)。

男性は、2位 埼玉県(30.2)、3位 神奈川県(30.1)。
女性は、2位 高知 (21.1)、3位 大阪府 (20.6)。

男性は1~4位が関東地域となっています。
また、男女とも滋賀県(男性47位、女性46位)と福井県(男性46位、女性47位)が未婚率の下位に位置しています。

39歳以下の未婚割合~最近は横ばい傾向

次に年齢・男女別(39歳以下・5歳階級別)の未婚割合です。

未婚率の推移
出所:令和4年版 少子化社会対策白書3 婚姻・出産の状況(国勢調査を元に作成)
未婚率の推移
出所:令和4年版 少子化社会対策白書3 婚姻・出産の状況(国勢調査を元に作成)

2020年の男性については、35~39歳の34.5%、30~34 歳の47.4%、25~29歳の62.4%。
30~34 歳の男性はおよそ2人に1人が未婚となっています。

女性については、35~39歳の23.6%、30~34 歳の35.2%、25~29歳の64.2%。
30~34 歳の女性はおよそ3人に1人が未婚となっています。

長期的にみると未婚率は上昇傾向が続いていますが、女性の25~29 歳以外は、前回調査(2015 年国勢調査)からおおむね横ばいとなっています。

独身者を対象とした意識調査の結果から

国立社会保障・人口問題研究所が2021年6月に実施した「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」の結果の中から、独身者を対象とした内容の一部をご紹介します。

調査は、年齢 18歳以上 55歳未満の独身者を対象とした全国標本調査で、独身者を対象とした調査の有効な調査票数は 7,826票となっています。

その中で、18~34歳の未婚者を対象とした調査結果の一部をご紹介します。
(未婚者というのは、独身者のうち、離婚や死別を除いています)

18~34歳の未婚者の回答数は、男性2,033票、女性2,053票の合計4,086票です。

結婚の意思について

将来結婚するかどうかの意思についての質問に対する男女別の回答結果です。

未婚者の生涯の結婚意思
出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」データより筆者作成
未婚者の生涯の結婚意思
出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」データより筆者作成

「いずれ結婚するつもり」と考えている18~34 歳の未婚者(青色の線)の割合は、1997年の調査以降、変化が少なかったですが、最新の調査(2021年)では男女とも前回(2015年)から減少し、男性では 81.4%(前回85.7%)、同女性では 84.3%(前回 89.3%)となりました。

一方、「一生結婚するつもりはない」と答えた未婚者(黄緑色の線)は 2000 年代に入って増加傾向が続いており、今回調査では男性で 17.3%、女性で 14.6%となりました。

結婚時期の決め手

対象を結婚する意思のある未婚者に絞った質問です。

結婚意思をもつ未婚者の結婚に対する考え方(年齢か理想的な相手か)

結婚についての意識調査
出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(結果の概要)

「ある程度の年齢までには結婚するつもり」「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」と考える割合は、ほぼ半々となっています。

前回調査(2015年)に比べると、男女とも「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」と考える割合が高まり、男性では 48.6%、女性では 51.7%となりました。

独身でいる理由

「独身でいる理由」についての質問に対する、男女別、年齢層別の回答結果です。

独身調査
出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(結果の概要)

18〜24 歳では「結婚するにはまだ若すぎるから」、「結婚する必要性をまだ感じないから」、「今は、仕事(または学業)にうちこみたいから」といった、若く、結婚の優先順位が低いためと思われる理由が上位を占めています。

25〜34 歳では、「適当な相手にまだめぐり会わないから」の回答が最も高く、男性の43.3%、女性の 48.1%が選択しています。

また「異性とうまくつき合えないから」の選択率は、割合が低いももの、2005年調査以降、上昇しています。

独身生活のメリット

独身生活の利点は何かについての質問に対する、男女別の回答結果です。

調査結果-独身の利点
出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(結果の概要)

「行動や生き方が自由」が1987 年調査以来、利点として挙げる人が最多となっています。最新調査(2021年)では、男性 70.6%、女性 78.7%で前回調査より微増となっています。

「友人などとの広い人間関係が保ちやすい」の選択率は低下傾向が続いています。

また、「家族を養う責任がなく、気楽」「住宅や環境の選択の幅が広い」は増加傾向にあります。

まとめ

生涯未婚率については、若干鈍化の兆しが見られるものの、上昇は続いていくと予想されます。

34歳以下の意識調査では、「いずれ結婚するつもり」が減少するなど、一部に若者の意識の変化が見られます。

ただ、それでも「いずれ結婚するつもり」が大半であることは変わりなく、経済と雇用の状況などが大きく影響しているように思われます。

生涯未婚率の変化は、社会構造の変化を反映しているので、今後の動向が注目されます。

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