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2002年7月9日 北海道新聞朝刊

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お悩み座談会

市民活動の情報誌を発行するボラナビ倶楽部(事務局・札幌)は六月下旬、札幌市中央区内で札幌圏を拠点に活動する民間非営利団体(NPO)やボランティア団体の「お悩み」座談会を開いた。

六団体が参加して、資金やスタッフ不足など、それぞれが抱えている課題を交換した。解決策として、補助金などの規制緩和や企業との協働を求める声が相次いだ。

課題

各団体が口をそろえたのが、資金や人材難だ。障害者を車で移送サービスをする「電動車いすとボランティアの会」の山口忠一代表は「車を運転するボランティアは二十人いるが、実際に活動しているのは一部だけ。結局有料で頼まざるを得ない。資金不足から移送車が一台しかないのも不安だ」と訴えた。

豊平川イカダ下り大会実行委員会の近藤敦士大会部長は「二十七年間やっているが、イベントが多様化していることもあって参加者が年々減っている。スタッフも減少傾向で、今年は大学でPRしたところ何とか確保できた。継続してもらうことが課題だ」と強調した。

規制

i−dayプロジェクトの神生総一代表は企業などから中古パソコンを提供してもらっているが、寄付行為に当たり、税金がかかってしまう問題点を指摘。「NPOや学校への寄付は非課税にすべきだ」と訴えた。営利を目的としない希望者に渡す場合でも、基本ソフトはいったん消去しなければならず「メーカーに求めても所有権は一代限りと断られ、結局、新たに購入しなければならない」との悩みも。

行政の助成金制度への疑問も。通院の手伝いなどをする福祉NPOつくしの会の加賀谷隆男代表は「札幌市から地域福祉振興助成金をもらっていたが、自立支援のため年々減る仕組みになっている。この資金を当てにしている者にとっては死活問題。市の補助金もあまり規制や条件を厳密にすると使い勝手が悪くなる」と訴えた。

芸術活動の場所を提供するコンカリーニョの斉藤ちずさんは「市は民間活動を評価する目がない。民間のニーズをうまくつかんで税金を振り分けないとNPOはうまく育たない」と補助金の配分の見直しを提言した。

協働

NPOが人的にも財政的にも問題を克服するのには行政や企業、市民との連携が必要になってくる。

近藤部長はレースの賞品を確保する際、実行委スタッフのTシャツに企業のロゴを入れ、その会社の発行するクレジット会社に率先して入会するなどして企業からの支援を仰いだ。「今は企業に拝み倒して協力してもらう時代ではない。企業が何を求めているのか、事前に調べて足を運び、企業にもメリットをもたらさなくてはならない」と強調した。

廃校を活動拠点にしている神生代表は「新潟県では廃校を企業に貸している。使われていない学校を活動場所不足に悩むNPOに開放してほしい」と行政に注文。

シニアマスターズの藤原哲朗代表も起業活動の第一歩として、パソコンの接続や設定作業に取り組むとし「無償では無理。ある程度の料金も必要」と利用者に理解を求めた。

(2002年7月9日 北海道新聞朝刊)

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