全国の死別者様のためのZoom交流会

2012年2月19日 北海道新聞朝刊

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ひとりを生きる「絆ブーム」の中で~「お独り様会」

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マスコミ掲載(新聞)

1人は決して寂しく辛いだけではない。人と人とがつながることで、1人の暮らしを楽しもう。そんな思いを共有する会が、会員数を増やしている。

ボランティア情報誌を発行する札幌の NPO 法人「ボラナビ倶楽部」(森田麻美子代表)が、昨年4月に立ち上げた「お独り様会」。

発足後10カ月余りで会員数は約300人と順調に伸びている。年会費2000円、会員は20代から80代まで、関東や京都、宮城などの在住者もいる。毎月、会員が想いをつづった文章を発行、直接顔を合わせる「オフ会」も随時開いている。

孤独感抱えて

年末の交流会には男性5人、女性8人の会員が集まった。「文集を見て、みんな苦労してるんだと思い、勇気をもらった」話したのは、妻と死別した中年男性。別の50代男性が「日曜に1人でジンギスカンをすると寂しくて」と語ると、未婚の中年女性も「私も誰かとジンギスカンやお好み焼きを食べたい」とうなずいた。

江別から参加した女性(59)は「社会とつながるためには、自分からドアをたたかなければと思った」と、入会の理由を説明した。

この女性はこれまでの自分を、社会から切り離された「浦島太郎」と表現した。20代で結婚したが、夫が病弱で、子供も持たなかった。40代後半で離婚後は、同居していた母を看取り、4年前には父も亡くなった。「家族の看護だけの人生だった。看護をしている間は将来のことなど考えられず、父が亡くなり、ぽっかりと心に隙間が空いた」と言う。

友人には子供や孫がいて、声を掛けづらく、1人で散歩したり、花を見ることで、心を癒した。父の3回忌を済ませたころ、ようやく「心おきなく、自分のための時間を持とう」と思えるようになったと言う。以前は図書館で医療や健康に関する本ばかり借りていたが、今は、大好きな詩集を借り、一人の時間に楽しみを見つけている。

昨年秋に会の存在を新聞で知り、入会した。「男女問わず『この人に巡り会うために、遠回りをしたけどこれまでの人生があった』と思える人に出会えたら」。
1人の日々を前向きに過ごしている。

広がる人の輪

同倶楽部の森田代表(39)によると、会員同士が自主的に森林浴をするオフ会を開いたり、親しくなった女性同士が会とは別にお茶を楽しんだりと、交流の輪が広がっていると言う。森田代表は「潜在的に会のニーズはあると思っていた。独身者同士が緩やかにつながることで、今を前向きに楽しめるようになれば」と話している。

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