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2017年12月27日 exiciteニュース(WEBサイト)

インターネットニュースexicite(エキサイト)ニュースの「スマダン」でお独り様会が紹介されました。

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独身者の友人作りを支援する「お独り様会」とは? - エキサイトニュース 未婚化・晩婚化が顕著になり、日々を独りで過ごす方も多くなった現代ですが、独身者の友人作りを支援する場として北海道で始まり、人気を集めていた「お独り様会」が、今年...
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独身者の友人作りを支援する「お独り様会」とは?

未婚化・晩婚化が顕著になり、日々を独りで過ごす方も多くなった現代ですが、独身者の友人作りを支援する場として北海道で始まり、人気を集めていた「お独り様会」が、今年11月より東京でもスタートしました。同会を主催するNPO法人ボラナビ代表の森田麻美子さんにお話を伺いました。

同じ思いを共感しあえる友人ができる

――お独り様会とはどんな会なのでしょうか?

森田:独身者が異性・同性を問わずにお友達を作る会ですね。入会すると毎月会報誌が届きます。会報誌には無料で参加できるオフ会のスケジュールや、会員様からの寄稿が掲載されています。オフ会の内容はカラオケやボウリングなど、誰でも気軽に参加できるものもあれば、「20~40代限定交流会」「パートナーと死別した人の集い」「女子ランチ会」のように、共通点を持った人同士で集まるなどいろいろ。寄稿の文章から、自分と気が合いそうな方を見つけることもできます。

――会員さんにはどんな方が多いのでしょうか?

森田:共通しているのは全員独身だということです。独身でいる理由は人それぞれで、未婚者もいれば、離婚、死別を経験している方もいます。年齢は20代から80代まで幅広く、90代の方が在籍していたこともありました。性別でいうと女性の方が多いですね。

――会員さんにとってはどんなところが魅力なんでしょう。

森田:同性、異性を問わず、同じ思いを共感しあえる友人ができるところではないでしょうか。配偶者と死別した寂しさは、配偶者がいる人には話し難いけど、同じ寂しさを経験している仲間となら話すことができるという方。これまでひとりで過ごすことが多かったけど、お独り様会に入ったことで、予定がずいぶん埋まるようになり、お化粧をして出かける機会ができたことが楽しいという方など、さまざまな想いを持った方が安心してみんなと交流できる場所かなと思います。

孤独になる可能性は誰にでもある

――なぜお独り様会を立ち上げたのですか?

森田:私自身が34歳まで未婚で、彼氏もできず、「結婚も出産も無理だ」と、とても悩んだ経験があったからですね。当時の私も、同じ立場の女性であれば出会ったその日から本音を話せたけど、結婚していたり子どもが居る人には、たとえ幼馴染であっても素直に話すことができなかったんです。

――どんなに親しくても、立場が違えば話し難いことはありますものね。

森田:例えば結婚していない、子どももいない女性は、年齢が増えて同世代の単身者が減っていくと、そうした悩みを打ち明けられる相手も減ってしまいます。また奥様と死別された男性からは、朝、ゴミ出しに行くたびにご近所の方からお悔やみを言われるのが嫌で、ゴミを出す時間をずらすようになったと聞きました。そんな人々が孤立することなく、交流できる場所を作りたいなという想いがあります。

――森田さん自身は現在ご結婚されているんですか?

森田:私自身は、34歳で結婚し、その後出産もしました。けれど独りでいることに強い不安を感じていたあの頃の私は、今もまだ自分の中にいるような気がしますね。夢の中ではまだ独身だったり、目の前をカップルが歩いていると道を変えようかなと思ってしまったり。

――独りでいることの不安がそれだけ大きかったんですね。

森田:独りでいることを寂しいと感じる気持ちは、女性でも男性でも、何歳になっても変わらないものです。そして結婚をして子どもが居る方でも、離婚や死別などで、独身に戻る可能性は誰にでもあります。けれどそういった方々の孤立を防ぐ、孤独を癒やすための場所が、これまであまり多くありませんでした。その役割は早急に求められていると感じています。

積極的に独身でいたい人は少ない

――昨今、結婚しない人が増えていることについてはどう思われますか?

森田:結婚願望そのものは持っている方が多いように思います。以前マスコミの方に「非婚・未婚が増えているので、最初から結婚する気がない若い人を取材したい。紹介してほしい」と頼まれたことがありましたが、実際に探してみると、少なくとも私の周りにそういう方は見つかりませんでした。積極的に独身でいたいわけではなく、たまたま結婚していないという状態にあるという声が多数を占めていました。

――にも関わらず未婚の方が増えている背景には何があるんでしょうか?

森田:いろいろな思い込みに縛られている部分が大きいと思います。特に親を安心させたいと考えたとき、日本経済が安定していた時期に結婚した私たちの親の世代というのは「非正規雇用の旦那さんではいけない」「35を過ぎている女性ではいけない」といった価値観が依然として根深い。私は婚活の専門家ではないのであまりはっきりとはいえませんが、離婚率がなかなか下がらないのも、そういった条件・数字の偏重から来ている気がしますね。数字を元に結婚してしまった結果というか。

――婚活市場の在り方というのはどうでしょうか? 現在の婚活サイトやマッチングアプリでは、目にすることのできる人数こそ増えましたが、その分、一人ひとりの人となりをきちんと確かめることが難しいように感じます。 

森田:パートナーが見つからない理由として「出会いがない」という声を多く聞きますが、今は同級生から赤の他人までSNSなどを介して簡単につながれます。つながりたくなくてもつながってしまうぐらいなのに、出会いがないというのは、数字や条件だけでみて、本来ならば相性の良い相手をふるい落としてしまっているせいかもしれませんね。

友だちから始めて、発展する関係

――大人になってからの人間関係というのは、「結婚したいから結婚相手になれる人を探そう」「この仕事をしてくれる人が欲しいからできるひとを探そう」といったように、まず目的ありきで人を探し始めることが多いように思います。お独り様会のように、「まずはお友だちから」と、特定の目的を定めないで他者とつながれる場所は、実は意外と貴重なのではないでしょうか。

森田:そうですね。結婚を目的としている集まりではなくても、例えばオフ会の場で「この人はリーダーシップがある」「この人はみんなに気を配れる人だ」という一面を目にしたところから、相手に興味を持ち、人間関係がいろいろな方向に広がっていくこともあります。

最後に、お独り様会の今後について教えてください。

森田:お独り様会が東京でも始まって1カ月が経ちましたが、やはりニーズはあるんだなと感じています。34歳以下の女性は、少子化防止に貢献するため会費無料としていますから、まずこの層がどんどん入会してくれました。今後、多くの方にご入会いただき、いろんなオフ会や交流会を楽しんでいただきたいと思っています。
(辺川 銀)

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