今年初のホームレス集会に80人〜厳寒の夜、家出女性も
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食事や冬物衣料を提供 医療相談などコーナーも開設
路上生活を余儀なくされている人たち(ホームレス)の支援・調査を手がける北海道の労働と福祉を考える会(北区、椎名恆代表)が22日夕、今年初めての炊き出し・相談会を中央区の市民会館で開き、約80人のホームレスらに暖かい食事と冬物衣料を提供、散髪サービスや医療相談、生活相談なども行った。
運営にあたったのは、北大の学生など同会関係者約40人。手づくりの弁当と豚汁、風呂券などを参加者全員に提供したほか、冬をしのぐ衣類を用意、就労につながる生活相談などにも応じた。衣類コーナーには市民団体ボラナビ倶楽部(中央区、森田麻美子代表)が寄贈したダウンジャケット30着などが人気を集め、15分間ですべての衣料がなくなるなど、真冬の路上生活の厳しさが伺えた。
毎回設けている健康相談コーナーには3人が訪れた。狭心症で「毎月1回は心臓が痛くなる」にもかかわらず、健康保険未加入のため少なくとも6年以上診療を受けていないという60歳代の男性など、深刻なケースが見つかっている。また、南区の理容業折川圭佑さん(65)が無償で引き受けた散髪コーナーに19人が列をつくり、予定終了時刻の午後9時ぎりぎりまではさみが止まらなかった。
参加者の中には、当日朝に母親に庖丁を突きつけられたのが原因で家出をしたという女性(28)もおり、同日夜を中央署の保護下で過ごした。さらに会のはからいで翌日夜にホテル宿泊した後、24日にも道立女性援助センターを訪れる予定。
今回生活相談を寄せた人のうち9人が、24日から会員らとともに各区の保護担当窓口を回ることになるが、中には保護制度に距離を置く人もおり、路上歴3年で中央区の狸小路を拠点にしている男性(62)は「役所に厄介にはならない。病気もなく大丈夫だ」と気丈さを見せていた。
次回の開催は未定だが、同会では常に協力者募集や物資提供の呼びかけ、運営費の寄付を募るなどしている。問い合わせは、同事務所(電話090-7515-8393)へ。
(2005年1月25日 札幌タイムス)