朝日新聞出版AERAアエラ(2024年12月23日号)で紹介されました。

2007年7月 石田香織さん〜嬉楽

石田香織(いしだかおり)

1986年北海道生まれ。動物占いは全力疾走のチーター。小さい時に山のぼりやキャンプをしたせいか自然や山が大好き。趣味は読書、音楽、料理、ヨガ、初心者バレエ。今はクリエイティブに勉強中。

目次

キセキは路上に落ちている

 「地球に嬉しい楽しいコト」をコンセプトに活動をしている嬉楽。私自身が活動を通して感じたことを書かせていただきます。 ドキュメンタリー映画「107+1〜天国はつくるもの〜」をご存知でしょうか? 自主上映作品です。これを一人の女の子が?札幌で上映したい”と旗揚げをし、何かに引き寄せられたように多くの仲間が集まり上映会の準備をしていました。当時、私はたまたまインターネットでその映画の予約をし、さらに映画の宣伝をしている彼女の前を自転車で通りかかったのが縁で出会いました。毎朝一人でゴミ拾いをしながら、「何か楽しいことはないかなぁ」と思っていた私にとって、本当に衝撃的な出会いでした。

 この映画は、?死んでから天国に行くよりも、生きている今を天国にしよう”と、動き出したど素人たちが、ゴミ拾いなどの環境問題、アフガニスタンへの海外支援、命がけの航海に挑戦するドキュメンタリーです。初めは何もなかったところから、小さなことをコツコツと続けたり、あきらめずに一歩一歩進むことで目標や夢は叶う。思うだけじゃなく祈るだけじゃなく、動くこと。?動けば変わる”というアツいメッセージがたくさん込められています。

 見終わった瞬間に、「自分たちも出来ることから動き出そうよ」とその時の仲間と結成したのが嬉楽です。出会いが?路上”だけに、みんなの共通点はほとんどゼロでした。でも何故か、家にある本が一緒だったり考えていることが同じだったりと、不思議と初めて会った気がしませんでした。 何もわからない私たちの活動は、映画にも出ていた?ゴミ拾い”から始まりました。

 何度かゴミ拾いをする中で、環境問題などに目を向けたり様々な出会いもあり、自分たちの中で?ボランティア”という定義が変わっていった気がします。 スノーボードが好きな人は「温暖化で山に雪が降らなくなるなんてやだ」とか、小さい時に遊んだ場所が住宅街に変わった現状を知った時に「未来の子どもたちにも楽しい自然を残したい」など、それまで環境問題はなんだか固いと捉えていたことが、いつからか?志す”ことに変わり、小さな事かもしれないけど続けることで変化があると思えるようになりました。出会うまでは全くの他人同士だったのに毎日のように遊び、語り、学びあいました。みんなにとっても、とても大きな出会いだったように思います。

小さなことからコツコツと

 活動を続ける中で、様々なヒト、モノ、コトに出会い、確実に?前よりも楽しく生きている”と気づきました。「自分たちがたくさんの気づきやきっかけをもらった映画をいろんな方に見てもらいたい。ゴミ拾いのきっかけを提供したい」と、映画の上映やゴミ拾いを続けました。 初めての上映会は、来てくださるたくさんの人に楽しんでもらいたくて、クッキーやケーキを焼いたり、マイ箸を持ち歩く箸袋を作成したりなど学校祭のようでした。お客さんからは感動やお褒めの言葉、時には厳しいアドバイスをいただきました。箸袋も、今考えるとよく売れたなぁと思う出来栄えでしたが、その時はみんな必死で、?お客さんに喜んでもらいたい”という気持ちだけで作りました。今では上達し、沖縄で使ってくれている方や結婚式の引き出物に頼んで下さる方がいるほどです。 現在は少人数で映画の定期上映会をおこない、来ていただいた方と映画後にお茶を飲みながら情報交換や感想を共有するなど、楽しい時間を過ごしています。

動けば変わる

 地道に続けていたゴミ拾いも、「ゴミ拾いがきっかけで、何故なのか分からないけど毎日が楽しくなった‼」という同年代の同志が、なぜか私たちと接点がない地域にも増えてつながり、今年は全国20ヶ所で開催させていただきました。 初めは些細な事でも、行動に移すことで本当に身のまわりの環境が変わると実感しました。

 「たった一つでもゴミを拾ってみよう」。きっかけは犬の散歩で、犬がゴミを食べるのがイヤだったから拾い始めました。実際にゴミを拾い、私の中で何かが変わりました。足元に咲いている花に気づき、顔を上げると、きれいな青空が広がっている。毎日通っていた道が、いつもと違って見えてくる。振り返ってきれいになった道を見ると、自然と笑顔が生まれて、とっても嬉しい気持ちになりました。そんな時に前述の女の子と出会い、映画を見ることができました。そういう経緯があったからこそ、ゴミ拾いに、ただならぬ?何か”を感じています。

 嬉楽は結成から3年が経ち、メンバーは学生やフリーターから各自の道を歩き出し、なかなか揃うことが出来なくなっているのが現状です。4人のメンバーは、映画の監督が展開する香川県の活動でスタッフとして働いています。それぞれの”嬉しい楽しい”を追求することが嬉楽だと私は思っています。 今後は7月に嬉楽を全体的にリニューアルして、またゼロから歩み始める予定です。これからも、どうぞよろしくお願いします。

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嬉楽(きらく)
札幌市中央区南6条西12丁目763-33-102号

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