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2008年4月 日置真世さん〜NPO法人地域生活支援ネットワークサロン事務局代表

日置真世さん日置真世(ひおきまさよ)
NPO法人地域生活支援ネットワークサロン

事務局代表。斜里町生まれ、釧路育ち。重度障がいの長女を筆頭に3人の娘の母。地域にシステムを作ったり、人を育てたり、資源を発掘開発したりする福祉分野のコミュニティワーカーとして活動。自称「緩やかな市民革命家」。

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世間知らずは強い(怖い?)

 NPO法人地域生活支援ネットワークサロンは障がい児の親が中心の任意団体から2000年に事業体として独立し、今年で8年目を迎えます。大それた夢も野望もノウハウもないスタートでしたが、図らずして、今では巨大なNPOとなりました。釧路地域で、主に障がいをもつ子どもから大人までの支援や子育て支援、市民活動支援等、地域づくりの事業を手掛け、60名以上の正規職員を含む有給スタッフが100
名を超え、拠点も20ヶ所以上、事業規模も3億円を超えてしまいました。
こうした事態は、時に成功したNPOの事例として、はたまた若手NPO運営者のホープとして注目され、「ここまでできた秘訣は何ですか?」、「以前はどんなお仕事をしていたのですか?」、「運営のノウハウはどこで学んだのですか?」と質問されます。しかし、そんな秘訣はどこにもなく、私が思い当たるのはただ一つ、「世間知らず」であることです。私は学生結婚をして出産し、生まれた長女が重度の障がいをもっていたため一度も社会に出たことがありません。つまり、組織運営のノウハウも社会人としての経験もまったくないのです。実は、そのことがもっとも大きな武器ではなかったのかと思います。

地域福祉モデル拠点「冬月荘」で おこなったイベント「ビストロ」

「会社とはこういうものだ」とか、「社会ではこれが当たり前」等の一般常識を知らなかったので、NPOをやっていく上でも、目の前にある資源量(カネ、ヒト、モノ)に見合ったもっとも効率よい方法をひたすら追求し、何でも「わからないので教えてください」、「間違えちゃいました、ごめんなさい」と行き当たりばったりで対処してきたのが、結果的には斬新で時代にマッチしたようです。でも改めて思うのは、世の中
には本来の意味や目的を置き去りにして無駄におこなわれている儀式的な仕事がたくさんあり、結構そうしたものに邪魔をされているということです。NPO は
理念のために存在する組織です。儀礼的なことや既成概念にとらわれず、常に目的や理念に立ち戻りながら取り組むことが原点であると思っています。

「岩盤浴」が教えてくれたこと

 私達がおこなっていることの多くが障がい児者福祉分野のものなので福祉NPOに見られますが、私は福祉事業をしているというより「福祉分野における地域づくり」をしていると考えています。私の実務も障がい者福祉分野のものはめっきり減って、フィールドは地域経済、仕組み作り、人材養成へと広がっています。
最近の目玉事業は、昨年の10月からスタートした「岩盤浴」の運営です。もともと地元の有限会社が運営していた設備一式を買い取り、NPOの事業として、福祉&コミュニティビジネスの発想を取り入れたコミュニティ岩盤浴としてリメイク中です。
この挑戦にはいろいろな意味がありました。まずは、「福祉中心の世界から脱して地域の普通の事業に取り組むこと」。地域社会や経済がどうなっているのかを自分達が実際に感じとるためには、福祉制度の枠から自ら出てみることが必要だと思います。次に、「地域資源の活用」。そのままであれば継続しなかったであろう一つの事業・店舗を地域に残して活用すれば、経済活動を存続させることになります。
北海道のどこの街でも共通の課題ですが、釧路の地域経済は衰退の一途をたどっていて、雇用や消費を継続させる仕組みとノウハウづくりが重要なテーマです。NPOが実践力を活かして地域事業を継続させていけば、様々な可能性が生まれてきます。実際、岩盤浴の運営にもいろいろな知恵をフル活用しています。例えば、地元のニットアーティスト(自閉症の子のお母さん)のスタジオを店内に併設することで、お客さんの相乗効果だけでなく、家賃をいただかない代わりの店番をお願いしています(これで人件費削減)。

冬月荘で実施中の「中3勉強会」。生日の子がいたため、 みんな一緒にケーキでお祝い

また、私達が別事業で手がけていて、お客さんにも好評の無農薬野菜の販売をここでおこなえば、農作業は障がいをもっていたり生活保護を受給している方達の人気の自立メニューですから、「作る側も買う側も嬉しい」魅力的な取り組みになりそうです。また既に始めているのは、岩盤浴のすぐれた保湿、保温効果を活用した天然酵母パンの試作品づくり。食に不安の多いこの時代には、北海道の豊かな食材と福祉パワーを活用してリニューアル、リメイク、起業することの意味は大きいと思っています。決して簡単なことではありませんが、あれこれ考えるとわくわくするのです。
 そんなことで、いつもいろんな怪しいことに取り組んでいる私を娘達は「お母さんの仕事を友達に説明するのは難し過ぎっていうか、私達にもわかんな〜い」と言っています。自分でも自分の職業は何かよくわからないのですが、「NPOな仕事」っていう表現が最も適切なのかもしれません。数年後に自分がどんな「NPOな人」になっているのか楽しみです。

こんなボランティアを募集しています

活動内容が幅広いので、随時相談を受け付け中。今もっとも求めているのは看護師資格のある方による在宅重度障がい児者への支援です。

NPO 法人地域生活支援ネットワークサロン

釧路市浦見4-2-3
TEL:0154-44-5527 FAX:0154-44-5528
メール info@n-salon.org  ホームページ http://n-salon.org/index.php

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