全国の死別者様のためのZoom交流会

2008年10月 岩見太市さん〜NPO法人シーズネット理事長

岩見 太市(いわみ たいち)

NPO法人シーズネット理事長
1941年、京都市生まれ。31才で故郷を離れ、長野、群馬を経て札幌市に移住して23年目。高齢期の新たなグランドデザイン(目指すべき姿)の提案を当事者の視点で実践中。

目次

知的障がい者との出会いから福祉の世界へ

京都西陣のサラリーマン家庭に生まれました。家庭の事情で昼間の高校には行かず、毎日新聞社京都支局で事務補助のアルバイトをしながら夜間の定時制高校に通いました。友達は全員昼間の高校に通い、辛い4年間でしたが、その厳しさをバネに発奮してアルバイト料を貯めて受験勉強に励んだので、大学は昼間のに進学することができました。この体験は後の人生で困難な場面に直面した時に大きな自信を与えてくれることになりました。卒業後は信用金庫に勤め、順当なサラリーマン生活を送りました。長期休暇が取れた時、興味があった牧場の仕事を体験してみたいと思い、知的障がい者が生活しながら牛の世話などをする長野県本市美ヶ原高原の施設に1ヶ月間住み込みました。ある日、作業を終えて山を降りようとしたら、知的障がいのある中年の男性が「置いていかないでー」と泣きながら追ってきたことがありました。それまで全く知らなかった知的障がい者とのそうしたエピソードが重なるうちに、彼らの飾り気の無さや、感情をストレートに出すところが心に残り、31才の時、オイルショックによる世間の脱サラブームに乗って信金を辞め、福祉の世界に飛び込みました。

信州上田市の福祉施設の指導員として新しい一歩を踏み出しましたが、閉鎖的な施設に疑問を感じました。並行して、隣接する町で、社会に開かれた会員制の知的障がい者施設づくりの運動を行い、3年間で実現することができました。そして36才の時、社会福祉法人かりがね福祉会を設立し、かりがね学園(定員40人)をオープンして初代園長に就任しました。当時はまだ一般的ではなかった知的障がい者の自立ハウス運営や、空き家を利用した共同生活など、いろいろな試みをしました。その後も請われるままに、群馬県で施設設立の手伝いをしたり、重症心身障がい児施設勤めをしたりし、44才の時に、ある人の紹介で憧れていた北海道に移住することになりました。

シニア人生の仲間づくりと役割づくり

医療法人渓仁会西円山病院のソーシャルワーカーが北の都暮らしの一歩でした。事務部長という管理職でありながら、医療福祉に従事したり、配食サービスを展開したり、手稲ふれあいボランティアを設したりなど新しい試みを続けたことで、地域福祉を実践から学べたと思います。そして、縁あって札幌市社会福祉協議会に転職して地域ケアを推進する部署を設し、60才で退職しました。人生の第一ステージは、生まれ育った京都から長野、群馬、そして北海道と渡り歩き、馬車馬のように走り続けていました。

ゆったりストレッチ

仕事で道内を周って多くの人とお会いする中で、長いシニア人生を不安や悩み、寂しさを抱えながら送る方が大勢おられることが気になっていました。豊かな高齢社会到来には、まず当事者である高齢者自身が老後のグランドデザインを創造し、生きる価値観を自らの手で創ることが不可欠と感じ、介護保険制度がスタートした翌年の2001年に立ち上げたのがNPO法人シーズネットです。シニア層の自立した活動を基本にするため会員制(年会費3千円)とし、「仲間づくり」と「役割づくり」を2本柱に、?趣味や娯楽のグループ、?地域ごとに拠点を置くサロン、?会員同士が互いに知り合うことができるネットワーク、の3つの出を施策に据えました。今では道内各地に支部活動が芽生え、北海道の会員数は常にほぼ800人を超えています。また、京都、三重、山形でも、それぞれの地元に有志が現れ、シーズネットが生しています。こうした取り組みが地域ニーズとして存在することが、全国的に認められつつあります。

歩こう会

今、私たちシニア層を取り巻く環境は大変厳しくなっています。私も京都に、大正生まれで要介護3でありながら介護サービスを拒否している母と、そのため全ての面倒を見てくれている妹が、遠くに行った私の時折の帰京を待ちわびているのを感じますし、自分も妻も毎年なにかしら心身に不調を感じるようになってきました。誰もが感じる社会制度や家庭環境の変化の中でも、私たちは自らの英知とパワーを結集のデザインを描きたいと願っています。

会員を募集しています

どなたでも会員になって頂きたいのですが、特に趣味やボランティア、その他グループをって仲間を集めて下さる方、さらにシニア同士の助け合い、住まいの支援、その他社会活動のリーダーとして起業して下さる方を求めています。

NPO法人シーズネット
札幌市北区北10条西4丁目1番地SCビル2F
メール seedsnet@abelia.ocn.ne.jp
TEL:011-717-6001 FAX:011-717-6002
ホームページ http://www.seedsnet.gr.jp/

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