オフ会が開催されていない府県の方のためのプレ入会(無料)開始

2010年6月 藤澤静江さん〜NPO法人知的障害者在宅支援・りぼん 理事長

藤澤 静江(ふじさわ しずえ)

NPO法人知的障害者在宅支援・りぼん 理事長

1949年余市町生まれ。
夫と次男、長男夫婦、その2人の子どもと一緒に、にぎやかに暮らしています。来年度、介護事業所オープンにむけ、仲間ともうひとがんばりです。

目次

お独り様会に関心を持たれたら、プレ入会(無料)しませんか?
同じ府県の方のプレ入会が多くなりましたら連絡しますので、それから会費をお支払いいただけます。

出会い&共に生きて

 1978年1月、まだ妊娠8ヶ月なのに、さい帯異常で「へその緒」が切れそうになりながら、1500g という小さな体の次男が生まれてきました。ウィルソンミキティ症候群(肺が未成熟な状態で生まれたために起こる病気の総称)でした。この次男との出会いが、私の生き方の支えであり、生きがいとなっています。
生まれてすぐに、次男は北海道小児保健総合センターに入院し、それは6年2ヶ月にもわたりました。その間、次男の命が消えそうになったことが何度もあり、私は治療を続けることへの希望を失っていきました。そうした中で、医師から人工呼吸器をはずす選択肢を示されました。私は答えることができませんでした。でも夫が「それはできません」と言ったことで次男の命がつながり、その後徐々に回復していきました。「最後まであきらめてはいけない」ということを、死が目前であった息子から身をもって知らされた出来事でした。

 その後、自宅での生活が始まりましたが、退院したと言っても、のどにはカニューレ(薬液の注入や体液の排出、気管切開の際の空気の通路とする場合などに用いるパイプ状の医療器具)と人口呼吸器、酸素ふか装置も付けたままでした。また、6歳といっても歩くこともままならない状態でした。それでも家族が一緒に生活できることが何より嬉しく、次男の洗濯物をたたむ幸せを実感したものでした。
「奇跡」と言われる回復を見せた次男ですが、身体障がい(内部疾患)と重度の知的障がいは残りました。しかし器械は取れていき、幼稚園や小中学校入学、高校受験ではそれぞれ問題に直面しながらも何とか卒業し、現在は知的障害者生活介護事業所に通っています。
一般とは異なる経験を重ねながら、私たち家族はたくさんの人たちと知り合い、助けられました。多くの出会いが、私自身の生きがいの礎となっていることに感謝しています。

りぼんへの思い

 障がいのある人たちが普通に暮らすことは、本当に大変です。でも障がいがあるからこそ、普通の生活が必要なのです。なぜなら子どもは、同じ経験を繰り返すことで力を身につけていきます。例えば親と一緒に買い物に出かける中で、信号の色を学び、買う物や場所を知り、危険を感じ取ります。これらは、病院や家の中では経験できません。でも障がいがあって外出できない子もいますし、外出できても、本人はもちろん、家族もその障がいとうまくつきあわなくてはなりません。
障がい児が色々な体験をしようとしても、困難が伴うことがあります。そのため障がい児は、経験できる範囲が親の意識に左右されると言っても過言ではありません。もし親が泳ぐことに関心がなければ、その子が泳ぎを体験できる可能性はほとんどないでしょう。健常な子どもであれば、ある程度の年になると、自分自身の力で親を乗り越えて社会に飛び込んでいき、仲間をつくり、善いことも悪いことも含めたくさんの経験を重ねて成長していきます。でも障がいのある子どもは、仲間と付き合うことが苦手ですし、健常の子どもに比べると出会う人も機会も少ないので、成長を促される経験がとぼしくなりがちです。社会の中で意識せずに繰り返される普通の生活が、子どもの様々な能力に結びつき、また、たくさんの人たちとの出会いが、子どもが価値観の違いを感じ、自分の意見をもつことへと繫がっています。「障がいがあっても社会の人たちの中で暮らし、与えられた人生ではなく、選ぶことの出来る人生を送って欲しい」―これが次男に対する私の大きな夢であり、りぼん設立への思いとなりました。

 1997年、次男が縁で知り合った同じ思いの親たち30数人と、「在宅支援を考える会りぼん」をスタートさせました。私たちにあったのは夢や思い、そして勢いだけでしたが、札幌この実会代表の加藤孝さん、札幌三和福祉会施設長の諸田和夫さんの力添えを得たこと、そして、西区社会福祉協議会の事業として、地域の人たちと知的障がい児・者の相互理解を目的にした研修会やレクリエーションを実施し(現在も継続中)、多くの地域の人たちと出会えたことが、りぼんの土台となりました。
この間、社会の制度は大きく変化しました。でも、制度を充実させることはもちろんですが、何より大切なのは「人」だと実感しています。りぼんを支えたのも人の力でした。障がいのある子どもの親たちが勉強会を続けることで、りぼんができ、地域の人たちと居宅介護事業所を運営するようになったのです。
「障がい児・者の住むところ・働くところ・余暇を楽しむところにおける支援と、地域での社会参加を積極的に進めることにより、社会福祉の発展に寄与することを目的とする」りぼんの願いが大きな輪となること、障がいのある人たちと、共に支え、共に歩んでくれる人たちの笑顔がいっぱいになることを願ってやみません。

ボランティアを募集しています

・りぼんのレクに参加してくださる方/年10回程。都合のつく回だけでOK。
・宿泊体験時のボランティア/毎月1回。食事作りや清掃をお願いします。
・デイサービスのボランティア/毎月1回。作業介助をお願いします。


NPO法人知的障害者在宅支援・りぼん

メール ribon_ribon@adagio.ocn.ne.jp
TEL:011-665-8004 FAX : 011-665-8080

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