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2011年3月 坂本純科さん〜北海道エコビレッジ推進プロジェクト代表

坂本 純科(さかもと じゅんか)
北海道エコビレッジ推進プロジェクト代表

1991年北海道大学農学部卒業後、札幌市職員となる(環境局勤務)。2004年退職。06年より3年間ヨーロッパに滞在し、様々なエコビレッジを訪問。09年エコビレッジライフ体験塾を開講。

目次

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行政職員からNPOの世界へ

 市役所の職員としてまちづくりに関わりながら、福祉、環境、国際と多分野のNPO 活動に首をつっこむこと十数年。行政の椅子に座っていてはできないことを外でする、を繰り返すうちに、いつの間にか本業が逆転していました。

 さて、こちら側の世界が常に自由で順風かと言えば、そうでもありません。行政職員時代は役所内の縦割り主義や保守的な体制にイライラしていましたが、NPO だって公的資金に頼れば同じような壁に突き当たります。経営は当然、楽ではありません。

 「社会に役立つ実感のもてる仕事が、(人間的に)豊かな暮らしや、個人と地域の経済的自立につながる仕組み」を探し求めたところ、ヨーロッパのエコビレッジと出会いました。住民が資源や施設をシェアし、協働で自給しながら、環境に負荷を与えない暮らしを試みる生活共同体です。ベトナム戦争をきっかけに60年代にわき起こった環境・平和ムーブメントの中、ヨーロッパで生まれた小規模な共同社会(コミューン)が発祥で、姿形を変えながら発展し、現在では世界中に1万5千ヶ所以上あると言われています。

 私は英国の大学院に籍を置きながらあちこちのエコビレッジやNPO を訪ね、ボランティアや研修生として滞在しました。英国のNPO は市民に認知されていて、政治や経済界に対しても影響力をもっています。反対運動や政策提言をするだけでなく、自ら事業を企画し遂行する能力も十分に備えています。行政職員や専門家らが、キャリアアップするために数年間転職してきて経験を積んだり、大学生が就職活動や研修の一環として働くなど、NPO は人材育成の場としても活用されていました。一方、エコビレッジは英国でもまだまだ主流ではありませんが、社会問題の解決策として地方自治体や大手デベロッパーにも着目されているところです。

エコビレッジの可能性を信じて

 私は学生時代からずっと、家族以外の人と共同生活をしています。欧米では珍しくない「ルームシェア」です。共同生活や、居住空間の一部を共有するコウハウジングは、電化製品やエネルギー、スペース、家事をシェアするため、やり様によっては楽しくて経済的、そしてエコロジカルな住まい方です。シングルマザーや高齢者、障がい者などケアの必要な人々にとっては、生活支援にもなります。日常的にはケアの要らない人だって、風邪で一人で寝込んでいるときに、食堂にいけば食べ物がある、「薬を買ってきて」と頼める人、「どう?よくなった?」と声をかけてくれる人が近くにいるのはどれだけ心強いことか。多少の煩わしさはあっても、それを補ってあまりある豊かなライフスタイル。私は自身のポジティブな共同生活体験がベースとなって、コウハウジングに憧れていました。

 ヨーロッパのエコビレッジは自給的な生活空間です。大きいところでは500〜1,000人が集まって暮らし、小さな村と同程度の規模や機能を備えていました。そこでは農的暮らしを志向する人が集まって、人びとの新しい働き場所を創出しています。農家レストランや保育園、コミュニティバス、再生エネルギーやエコハウジングなどの事業が存在することで、福祉や子育て、土木、建築まで、幅広い分野のサービスと仕事を、地域に供給しています。住民は、プライベートな時間を大切にしながら、コミュニティの労働を分担します。「半農半X(エックス)集団」と表現されるように、誰もが農作業に携わりながら、もう一つ職業を持つ労働システムが成り立っていました。私たちは一般に、働く・遊ぶ・学ぶという行為はそれぞれ別次元で、主体となる場所も異なると感じていますが、エコビレッジではそれらが一体となっています。また、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)のとれた自分らしい暮らしを実現しうるのです。さらに、コミュニティを「閉じた住環境」にしていないことや、地元資源と結び付けて、地域の文化や経済の活性化に寄与している点も重要です。

 私はエコビレッジを、北海道の地域再生のモデルと捉え、その考え方や技術を多くの人と共有するため、長沼町で通年の塾を開催しています。「持続可能な暮らし」をテーマに、野菜や米を栽培したり、建築やエネルギー、経済などの課題について、参加者がグループワークで学びあっています。 

 米づくりも、プロである農家にアドバイスを受けながら、自分たちの目的とペースにあった手法を模索しています。みなで力をあわせれば、一人ではできないことも達成できるという自信と同時に、どんなに知恵を絞り、丹精込めて作物を育てても、自然はコントロールできないという人間の限界を感じます。だから、みな「人事を尽くして天命を待つ」心境で収穫の日を迎え、自然の恵みと農家の方々の協力に感謝して食べ物をいただくようになります。「持続可能な社会」を作る上で必要なことは、最新の技術や制度よりも、そういった心の持ち方かもしれません。

ご連絡をお待ちしています

会員を募集しています。内容はホームページをご覧いただくか、メールでお問い合わせください。

北海道エコビレッジ推進プロジェクト(HEPP)
北海道余市郡余市町登町1863 余市エコカレッジ事務局 TEL/FAX: 0135-22-6666
札幌市中央区宮ケ丘2丁目1-1 -303 (事務所)
メール junkasakamoto@gmail.com FAX: 011-640-8422 (坂本)
ホームページ http://ecovillage.greenwebs.net/ 

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