朝日新聞出版AERAアエラ(2024年12月23日号)で紹介されました。

2011年6月 喜多洋子さん〜NPO 法人子育て支援ワーカーズプチトマト代表

喜多 洋子〜(きた ようこ)
NPO 法人子育て支援ワーカーズプチトマト代表

1960年札幌生まれ。短大卒業後、日本楽器製造株式会社に勤務。結婚とともに退社。現在は現職の他、札幌市市民活動サポートセンター相談員、青少年育成委員、少年補導員を務める。趣味は温泉、マンドリンとパーカッション演奏。

目次

釧路で子育て

「なんて自然豊かな場所にきたんだろう!」と喜んだのもつかの間、すぐに双子の母となり、友達もいない親戚もいない中での子育てが始まりました。念願だった双子ですが、初めての子育てが双子というのはとても大変でした。知らない土地でなかなか自分らしく振るまえず、友達はできませんでした。孤立していた私に声をかけてくれたのは、近所の子どもたちです。住んでいた市営住宅には子どもがたくさんいて、毎日私の家で双子と遊んだり(赤ちゃん用のおもちゃが目当てだったみたい)、散歩でベビーカーを押したりしてくれました。中でも小学4年生くらいで知的に少し遅れのある女の子と仲よくなり、子育てや家事をずいぶん手伝ってもらいました。雨がふっても嵐になっても家に来てくれたので、おしゃべりできる人がいるというだけで私にはとても心強いことでした。

子どもたちの放課後の遊び場を結果として提供していた(?)私は、「いつもありがとう」と親ごさんたちに感謝され、「がんばっているね」と近所の方に励まされるようになり、自然に大人の友達もできました。それからは子育てを地域ぐるみで楽しみました。私の家が大人のたまり場、時には託児所にもなりました。私が寝込むと、病人用だけではなく家族の分までお惣菜が届き、困ったときにはお互い助け合う関係ができました。私は家の中だけにいられない性格で、何かボランティアをしたいと思いましたが、双子が幼稚園に通っていたのであきらめていました。それを知った近所の友達が「幼稚園の送迎はやってあげるから行っておいで」と言って送り出してくれたので、私は発達障がいの子どもに関わるボランティアをすることができました。私が初めての双子の子育てを乗り切ることができたのは、釧路のみんながいたからだと本当に感謝しています。

ワーカーズの働き方と出合って

楽しかった釧路の7年半の後、夫の転勤で札幌に戻り、早速、発達障がい児に関わるボランティアやPTA の役員、開放図書の読み聞かせ活動に加わりました。そんな時、私が安全な食材を共同購入していた「生活クラブ」で、託児ワーカーズ(ワーカーズコレクティブ)の仲間の募集をしていると知りました。保育士の免許はありませんが、子どもに関わる活動を「仕事」にしたいと思っていた私はすぐに仲間入りしました。が、ワーカーズって何でも自分たちで考えて決めるというではありませんか。「大変なところに来てしまったかな」と初めは思いました。ワーカーズという働き方は自分たちでお金を出し、自分たちで経営を考えていくものなので、子どもに関わるだけと思っていた私にはちょっと違和感がありました。

そうして設立の準備をしているときに、三女を妊娠。プチトマト設立後は託児依頼の電話を受ける役になりました。自分の子に授乳しながらの電話番は、依頼主と同じ目線だったと思います。電話からは、子育てをしている親の心の悲鳴が聞こえてきました。「なんとか助けたい」と思う気持ちが「来た依頼は断らない」という信念に変わっていきました。私は少ないメンバーをなんとか説得し、仕事を引き受けてもらうことに必死でした。

メンバー一人ひとりの誠実な対応が口コミで広がり、お客様が増え、それにつれて仲間も増えていきました。今メンバーは30人。「大変なところ」と思ったワーカーズですが、何でもみんなで考え、話し合って変えていける働き方は私に合っているなと思います。一人ではできないことも、みんなで知恵や力を合わせることで少しづつ進んでいくワーカーズがとても好きです。十人百色くらいの考え方や価値観をお互いすり合わせ、折り合いをつけながら進み、お互いを認め合っていけるのがワーカーズのいいところです。そして「この活動が社会を変える一歩になっている」と実感できるのもすてきなところです。

プチトマトのミッションは、互いに支えあい心豊かに子育てできる地域社会をつくること。夢の一つ、さまざまな人が集まれる場所づくりは、麻生商店街との連携で「三世代交流ひろばcafe 亜麻人(あまんと)」として実現しました。これからもメンバーと一緒に助け合い、さらに地域の人、行政、企業や専門家とつながりながら、心豊かに子育てできる地域社会を創っていきたいと思っています。

ご連絡をお待ちしています

子育ての経験を活かして、働いてみませんか? 一緒に働く仲間を募集しています。詳細は、お問い合わせください。

NPO 法人子育て支援ワーカーズプチトマト
携帯:080 -2870 -9735 
札幌市北区麻生町6丁目14-6高橋ビル2階
ホームページ http://petittomato.sakura.ne.jp/

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