オフ会が開催されていない府県の方のためのプレ入会(無料)開始

2012年12月 米田久美子さん〜NPO法人介護グループむらさき理事長

米田 久美子(よねた くみこ)
NPO法人介護グループむらさき理事長

1948年留萌市生まれ。1999年、昼食会を行う「ボランティアグループ紫会」を設立。2000年、NPO法人格を取得して現在の名称とし、訪問介護事業、居宅介護支援事業、身体障害者居宅介護事業、通所介護事業などの介護保険事業を始めるほか、介護保険外の自主事業として福祉有償運送、有償ボランティア活動を行う。家族は夫と息子。

目次

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家族の最期を看取る経験

 留萌の生家は左官業を営んでいたため、高校を卒業するまでの私には家族がたくさんいました。戸籍上では祖父母・両親・弟に私で6人ですが、うちには大きなおじさんたち・お兄さん(職人さん)たちが常に6、7人生活していたからです。毎年、新卒の男子3人が見習いの弟子として私たち家族に加わり、寝食を共にしていました。全員男子ですが、何の支障もなく暮らしていました。祖父母は明治の人です。祖父はハイカラじいちゃんで、「人はみな平等で必ず長所があるから、短所ばかりを強調して見ないこと」「人は死ぬまで勉強だ」「何にでも興味をもって学んだほうが良い」と言っていました。祖母はとても楽しくて、他人の面倒みがよい人でした。晩年は糖尿病になり、その後、今でいう認知症になりましたが、周りを驚かすような 面白いことがたくさんあり、近所の高齢のお友達がよく遊びに来てくださっていました。こうした環境が、現在の私の原点になっているのかも知れません。

 私は地元の高校を卒業後、札幌の学校に進学しましたが、その学校のありかたに違和感を覚え、学費節約のため1年で退学、帰郷しました。その後、デパートの売り子の仕事を見つけて20代で再び札幌に移転しましたが、甲状腺機能亢進症(バセドー氏病)になったため仕事を辞め、体調の良いときにアルバイトをする生活をしながら、数年間、札幌で療養しました。体調が回復した30代には自身で仕事をしたいと考え、商売の知識がある父の手ほどきで札幌市内に店を借りて喫茶店の経営を始めましたが、すぐに父を亡くし、私の結婚や長男出産、その後、母に卵巣癌が見つかり、多忙でした。母は入退院を繰り返し、3年間に3ヶ所の病院で手術や抗がん剤治療を受け、私は常に母に付き添いました。その後、私自身も甲状腺の手術をしました。これらの経験や出会った人たちから、「生きること」について考えさせられました。

住み慣れた家で、地域で暮らしたい方を支えたい

 40代には、大変お世話になった独居のご婦人を亡くす経験をしました。私は、この方の緊急連絡先になっており、「チャイムにも電話にも応答がない」という知らせを受け、大家さんたちと一緒に家に入りました。誰の姿もなく、どの窓も内側から施錠され異常はないようでしたが、よく探したところ、ベッドと壁の間にいらして亡くなっていました。救急車、そして警察もやってきて、警察が帰るまでの時間は長く感じました。脳溢血で倒れ、周囲に連絡できる状況ではなかったようでした。

 その頃、あるお年寄りご夫婦に「週に一回でもお弁当を届けてもらえるとありがたい」と言われ、みんなが一緒の昼食会を作ろうと働きかけたところ、近所の60代の方7人が賛同してくれました。東区には玉ねぎ畑が多いので、玉ねぎからイメージした色で「ボランティアグループ紫会(むらさきかい)」で東区社会福祉協議会に登録し、1999年から毎週水曜日、福祉会館を借りて昼食会を開きました。午前中に会館で食事を作り、昼には12食程度を並べ、集まってくださった近隣のご高齢の方々と楽しくおしゃべりしながら食事をしました。活動は広がり、資金を貯めるために年2回フリーマーケットを開いたり、皆さんにもっと楽しんでもらおうと日帰り温泉や公園にピクニックに出かけたりと楽しみました。

デイサービスの外出行事で北大へ

 2000年には介護保険が始まりました。昼食会を利用するような方たちにより深く関わり、支えて差し上げることはできないかという気持ちが私たちの中で高まりました。私自身は、家族やお世話になった方々の死を体験するなかで、在宅の介護保険事業への期待もありました。私ともう一人がヘルパーの研修に行き、資格を取って準備しました。介護保険事業に参入するには法人格が必要なので、国会を通ったばかりの「特定非営利活動法人(NPO 法人)」とは何なのかを勉強し、利益を目的としない点が合うと考えNPO法人格をとることにしました。名称は紫会が出発点なので「介護グループむらさき」としました。

 今は十数人の常勤スタッフと、25人の非常勤スタッフを抱え、事業規模は1億円を越えています。事業としては成功と言えるかもしれません。ただ私たちの目標は事業拡大ではありません。東区の住み慣れた家で、地域で暮らしたいと思われる方のために活動していきたい、そのように思われている方たちの味方でありたいと思っています。今は介護事業以外に、地域包括支援センターや民生委員と連携をとり、地域の独居高齢者の見守りなども行っています。さらに、今年6月には「みんなの食堂」と通所介護事業所「デイサービスむらさき北光」を開業しました。今まで出会った方たちとの思い出を原動力に、これからも活動していきたいと思います。

ボランティア・職員募集

デイサービスで利用者の話し相手をしてくれる方や食堂の仕事を手伝ってくれるボランティアさん、デイサービス相談員、看護師の職員を募集しています。お問い合わせください。

NPO法人介護グループむらさき

札幌市東区北10条東13丁目1−12 広楽マンション1階
メール kaigo@poem.ocn.ne.jp TEL:011-712-6266 FAX:011-712-6113
ブログ http://blog.canpan.info/murasaki_blog/ 

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