孤独死(孤立死)の現状~統計調査から見える問題点や課題、損害額など

孤独死の実態イメージ

高齢化や一人暮らしが増加している中、年間3万人ともいわれる孤独死の実態を最近の調査結果を元にお伝えします。

調査結果は、「孤独死現状レポート」(一般社団法人日本少額短期保険協会)を中心にご紹介します。

孤独死(孤立死)について

孤独死(孤立死)とは

当ブログでは、主に一人暮らしの人が誰にも看取られることなく亡くなって、長期間気づかれないことを「孤独死」としています。

孤独死の明確な定義はなく、さまざまな解釈があります。

また、「孤立死」と呼ばれる場合もあります。
厚生労働省などは「孤立死」と呼び、東京都福祉保健局の東京監察医務院は「孤独死」と呼んでいます。

孤独死の定義の例

東京23区内で発生した不自然死(死因不明の急性死や事故死など)について、死体の検案及び解剖を行いその死因を明らかにする仕事をしている「東京監察医務院」は、「異状死のうち、自宅で亡くなられた一人暮らしの人」と定義しています。

独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)は、「『病死又は変死』事故の一態様で、死亡時に単身居住している賃借人が、誰にも看取られることなく、賃貸住宅内で死亡した事故をいい、自殺又は他殺を除く。」としています。

孤独死の数

孤独死の数は正確には把握されていませんが、ニッセイ基礎研究所の2014年の資料によると、同研究所の推計で孤独死は、死後発見されるまでの日数が2日間が26,821人、4日間が15,603人でした。

全国的にも増加傾向にあるので、現在は少なくとも全国で3万人を超えていると思われます。

参考ですが、東京都内の状況は東京都監察医務院の統計から分かります。
それによると、以下のグラフのように2011年以降、65歳以上の人の自宅での死亡者数は年々増加しており、2016年は3,936人となっています。

東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数

出典 : 高齢社会白書(令和3年版)

参考:長寿時代の孤立予防に関する総合研究 ~孤立死3万人時代を迎えて(ニッセイ基礎研究所)

「孤独死現状レポート」から分かる孤独死の現状

一般社団法人日本少額短期保険協会の孤独死対策委員会は、「孤独死現状レポート」を毎年発表しています。
孤独死に対応している少額短期保険会社が持ち寄ったデータをもとに、賃貸住宅内における孤独死の実態をまとめたものです。

レポートの主旨は、孤独死の実態について業界内外に発信することで、孤独死の問題点やリスクについて社会に広く知ってもらうこととしています。

ここでは、2020年11月に発表されたレポートの内容を元に孤独死の実態を紹介します。

対象:少額短期保険会社の家財保険(孤独死特約付き)に加入している被保険者
収集先:孤独死対策委員をはじめ、協力会社の提供
収集対象期間:2015年4月~2020年3月

世帯構造の推移~単独世帯が増加

将来における世帯構造の推移

孤独死の実態グラフ
出典:第5回孤独死現状レポート(一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会)

孤独死との関連が高いとされている世帯構造の推移です。

国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、孤独死リスクが高い「単独世帯」の割合が、2015年時点で34.5%となっています。

「単独世帯」はともに毎年増加しており、2040年には単独世帯・夫婦のみの世帯は4割近くなると予測されています。

孤独死の平均年齢は61歳。平均寿命より20歳も若い

男女別孤独死人数と死亡時の平均年齢(n=4,448)(※括弧内は前回調査の数字)

孤独死の実態グラフ
出典:第5回孤独死現状レポート(一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会)

孤独死者の平均年齢は男女ともに約61歳。平均寿命と比較し20歳以上も若くして亡くなっています。

高齢者になる前(65歳未満)に亡くなる方の割合も男女ともに50%超となっています。

男女別死亡年齢の構成比(n=4,188)※年齢が不明なデータを除く

孤独死の実態グラフ
出典:第5回孤独死現状レポート(一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会)

60歳未満のいわゆる「現役世代」の孤独死者の割合は4割となっています。

孤独死の死亡原因~一般と比べ自殺の割合が高い

死因別人数(n=4,417)

孤独死の実態グラフ
出典:第5回孤独死現状レポート(一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会)

男女別死因の構成割合(n=4,417)

孤独死の死因では、自殺者の割合が10%超と高いことが特徴的です。

一方、2020年人口動態統計(月報年計・概数)によると、死因に占める自殺の割合は約1.5%で、孤独死の自殺者の割合は、6倍以上とかなり高いことが分かります。
※前述の「孤独死の定義の例」では、自殺を孤独死に含めていない例を紹介しましたが、ここでは含めています。

孤独死の実態グラフ
出典:第5回孤独死現状レポート(一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会)

自殺割合を男女別にみると、女性の方が約7ポイント男性より高くなっています。

自殺による孤独死は20~40代の割合が高い

年齢階級別自殺者の割合 (n=478)

孤独死の実態グラフ
孤独死の実態グラフ
出典:第5回孤独死現状レポート(一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会)

全国の自殺者(公的統計※)では年代による開きが最大でも7ポイント程度と、大きな偏りはありません。

これに対し、孤独死の「自殺者」は、20代~40代が全国の水準より高い傾向にあります。

孤独死の自殺者のうち40代までが男性:73.4%、女性:81.5%。
公的統計(※)の同年代割合43.4%と比較すると、青年・壮年層の自殺の割合がかなり高いことが分かります。
※)公的統計:厚生労働省自殺対策推進室・警察庁生活安全局生活安全企画課 「令和元年中における自殺の状況」

発見までの平均日数は17日

発見までの日数(n=4,011)

孤独死の実態グラフ
出典:第5回孤独死現状レポート(一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会)

孤独死発生から発見までの平均日数は男女ともに17日。
発見まで時間を要すると、遺体や居室の損傷が進み、悲惨な状態になると言われています。

男女別発見期間の割合(n=4,011)

孤独死の実態グラフ
出典:第5回孤独死現状レポート(一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会)

性別の比較を見ると、女性の半数が3日以内の早期で発見されています。一方、男性の早期発見は、40%にも満たず、14%ほどの差があります。

このレポートでは「生前の他者とのつながりを重視する社会的接触活動の濃淡の差が、男女の早期発見の差ににつながっているものと推察できる。」としています。

第一発見者は職業上の関係者が多い

第一発見者の構成(n=3,329)※発見者不明を除く

孤独死の実態グラフ
出典:第5回孤独死現状レポート(一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会)

孤独死の発見者は、職業上の関係者(51.3%)が多いのが特徴で、その中でも「管理」(不動産管理会社やオーナ等)が最も多くなっています。
意外にも近親者が34.7%とそれほど多くはありませんでした。

性別による第一発見者の構成比(n=3,329)※発見者不明を除く

孤独死の実態グラフ
出典:第5回孤独死現状レポート(一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会)

男女の比較では、女性は近親者が発見に至るケースが男性より10%程度多くなっています。

このレポートでは「知り合いとの連絡や近所付き合い等、男性より、社会との関わりが高いことを裏付けている。」としています。

発見のきっかけは「音信不通」「訪問」が最も多い

発見原因の構成(n=2,748)※発見原因不明を除く。

孤独死の実態グラフ
出典:第5回孤独死現状レポート(一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会)

音信不通になったことや、訪問等をきっかけに発見される割合は5割を超え、かつ発見までの日数が最
も短くなっています。

早期発見・長期化した場合の発見原因(n=2,748)※発見原因不明を除く。

孤独死の実態グラフ
出典:第5回孤独死現状レポート(一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会)

発見までの期間が3日以内の場合、発見のきっかけは音信普通が87.1%と大半です。
一方、30日以上と長期間した場合、異臭や居室の異常が27.8%と最も多く、家賃滞納がきっかけの場合も16.5%あり、長期化しやすいことが分かります。

発見された時の状況

このレポートで紹介されている発見された時の状況です。

  • 家賃入金が遅れており、連絡を取っていたがつながらず、契約者から管理会社へ安否確認を依頼。同日管理会社が訪問したところガラス越しにハエが見え、警察へ通報し発見 。
    (60代 男性/死亡から発見まで2日)
  • 区役所生活福祉課より連絡あり、生活保護費を受領しに来ていないため安否確認依頼。現地待ち合わせのうえ警察署へ連絡し立ち合いのもと開錠。
    (40代 男性/死亡から発見まで31日)
  • ・水道検針のメーター異常による通報を受け、死亡者の居宅を訪問。
    (40代 女性/死亡から発見まで11日)

損害額と支払保険金

レポートでは、損害額と支払い保険金を「残置物処理費用」「原状回復費用」「家賃保証費用」の3種類に分けてまとめています。

残置物処理費用
平均損害額(n=2,720)¥220,661 
最大損害額¥1,781,595 / 最小損害額 ¥1,080

平均支払保険金(n=2,516)¥223,818
最大支払保険金 ¥500,000 / 最小支払保険金 ¥1,080

原状回復費用
平均損害額(n=3,697)¥381,122
最大損害額¥4,158,000 / 最小損害額 ¥5,400

平均支払保険金(n=3,558)¥299,376
最大支払保険金 ¥3,000,000 / 最小支払保険金 ¥5,400

家賃保証費用
平均支払保険金(n=256)¥307,876

「孤独死現状レポート」内容の紹介は以上です。

東京都23区における孤独死の実態

次に東京都監察医務院がまとめた「東京都23区における孤独死の実態」(2010年)から「監察医がみた孤独死の事例」を紹介します。

実際に,監察医務院で監察医が検案・解剖した「孤独死」の事例として3例、「孤立死」の可能性がある事例として1例がまとめられています。

【事例① 70歳代 男性】
70歳代の男性。死者は独身で,兄弟はいるが、ずっと会っていないという。
隣人が,腐ったような臭いが日々増していること、部屋の明かりが付けっぱなしになっているのを不審に思い110番したことで発見された。死後10日くらい経っていたため,解剖によっても、死因は不明とせざるを得なかった。

【事例② 80歳代 女性】
心臓病の診断を受け、主治医からは「いつ突然死してもおかしくはない」と言われていた。
死者の子供が自宅へ様子を見に行ったところ、浴槽内で死亡しているのを発見した。
お風呂の水を飲み込んだ所見に乏しく,心臓発作により亡くなったものと診断された。

【事例③ 50歳代 男性】
亡くなる数年前に離婚。仕事仲間が連絡が取れないことから、自宅を見に行ったところ、居間で死亡しているのを発見した。
最近は体調不良を理由に仕事はしていなかったようだが、日常の生活状況は不明であるという。
解剖により、心筋梗塞と判断された。

【事例④ 内縁関係の夫婦である60歳代の男性と女性】
近所の人と、数ヶ月前に会ったことまでは判明したが、日常の生活の詳細は不明。
男性の息子が、1か月ほど連絡がつかないことから心配となり、様子を見に行ったところ、自宅の布団上で2人とも死亡しているのを発見した。
解剖の結果、男性は脳出血、女性は腐乱のため死因を決定することができなかった。

まとめ

世帯構造の変化、高齢化など、孤独死は社会構造と密接に関わっており、これからも増え続けていくとみられています。

「孤独死現状レポート」の調査結果は、死後2週間以上経ってからの発見が多いこと、社会的な孤立との関連性など、今後、対策が必要なことを気づかせてくれる内容となっていました。

同レポートでは、「『常に孤独死は起こり得る』という意識のもとで、備えをしておくことが重要」とまとめられていました。誰にとっても他人ごとではないと思いました。

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